2024.3.19   念ずれば見える!?

伝統工芸品が気になる院長です。

子どもが社会科で習い、たまたま伝統工芸品の展示会に出かけときのこと。

『塗りは一生もの』その言葉と、干支の絵と名前を描いてもらえると聞き、思い切って家族分のお椀を揃えました。

子育て中は毎朝使用していましたが、食洗機導入でいつの間にかお蔵入りに。

数年前、ふと思い出して取り出してみると、随分使用したせいか、塗りは剝げ絵文字も薄れています。

『塗りは一生もの』の言葉は思い出しましたが、何塗りなのかは思い出せません。

アナログ人間の院長は、早速漆器に関する本を購入しました。

全国各地には、様々な漆塗りの産地があり、それぞれ特徴があります。

思わぬことで購入した本ですが、漆器についての知識が深まりました(これをきっかけに漆器巡りの旅が始まります)。

本にある漆器の特徴と、目の前のお椀と、自身の記憶と…あたりを付けて、数か所の漆器組合に問い合わせてみました。

 

待つこと数週間。

なんと、そのうちの一か所が該当漆器を扱っていたと判明。

正解が見つかり嬉しさもひとしお。

ただし、塗り直しは新品とほぼ同様の価格になるとのこと。

新品を注文しました。

しかも絵文字を描いた職人さんはまだ現役で、もう一度描いてもらえるとのこと。

 

ピカピカの艶のあるお椀が届きました。

食洗機に慣れてしまっていますが、このお椀は手洗いし大切に使っています。

丁寧に扱う…やっとその余裕も出てきました。

 

さて漆器は、蒔絵や沈金・螺鈿という加飾があると更に値打ちが上がります。

先日、デパートでの伝統工芸展。

いつものように、漆器をメインに見て回ります。

一角に某地方の蒔絵展示が。

棗(なつめ)や文箱など、およそ自分には縁がない物ばかり。

繊細な品だけにため息がつくようなお値段。

『ゆっくり見ていってください』とご主人。

お客が一人なのもあって、ショーケースから色々取り出して見せてくださいます。

ふたの裏には、更に素晴らしい蒔絵が。

作品の説明を聞きながらも、お見受けするにかなりの御高齢。

『失礼ですが、おいくつですか?』

『来年90歳です』

この道70年の軌跡を話してくださいます。

 

50歳頃、左眼の眼底出血を起こし、更に右眼も眼底出血を起こしたそう。

『見えなくなってしまって。先生にもレーザーするけど、だめかもしれんて言われて。でも、廃業するのはどうしても出来んと思って、見えないけれど毎日描いていた。

他のものは見えないのに、不思議と蒔絵を描くときはだんだんと見えるようになって。お陰様で、こうして続けさせてもらっています』

 

眼底出血は網膜の血管が切れて起こります。

恐らく左の網膜静脈分枝閉塞症(網膜の太い静脈の一部が切れる)により、黄斑(物を見る中心)は浮腫(むくみ)が起こったと考えられます。

40年くらい前の治療はレーザーが主流(今は硝子体注射)でした。

網膜分枝閉塞症は一般には片眼発症なので、両眼は稀。

恐らく両眼とも黄斑浮腫が上手く引いて視力が回復したと思われます。

 

蒔絵の話から、なぜか目の話になってしまいました。

 

信念が病気を治す一助になる事はあります。

(科学者(医師)でありながら、目の神様を拝む院長)

 

『あんたもまだまだ若いから頑張りなさいね』

棗や文箱には手が届かないので、小さなスプーンをひとつ購入。

先っぽに手書きで熊さんが描いてあります。

 

その後、あちこちで漆器の作品を見る中で、あのご主人の作品がよく陳列されていることに気づきました。

実はとてもご高名。

 

くまさんスプーンも大切に使います。

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.3.12  ガクチカにも!?

今年もフロアーバレー大会がやってきました。

名古屋ウイメンズマラソンと同日。

会場の愛知県体育館への沿道は、応援の人で賑わっていました。

院長も、かつてその沿道を走った一人。

名古屋城から北に向かっては30キロ地点を通過するので、足が重くなりやすい。

緩やかな勾配なのにきつく感じます。

そんなランナーだった頃を思い出しつつ、体育館内へ。

 

第30回全日本選抜フロアバレーボール愛知大会 ANGEL CUP2024が正式名称。

大会目的:

・全国を代表する強豪チームと各地域を代表するチームが理想的な会場で集う

・真の王者を決定すると同時に視覚障害者の体力の向上と自立・高いQOLの実現を目指す

・各地域のレベルアップと交流

・審判員指導者の育成を図る

 

『なんかすごいですね~』

応援に来てくれた当院スタッフ。

 

フロアバレーは6人制バレーです。

前衛はアイシェード(目隠し)をして臨みます。

健常者も視覚障害者も同条件となります。

一般のバレーボールみたいに、前衛はネット際を守り攻めます。

見えないので、バラバラに動くことはなく、後衛の指示により動きます。

守りの時は、後衛からの声掛けの元、一斉に動きます。

 

後衛は、視覚障害等級の軽い人や晴眼者が担当します。

遠くからのボールのトスやアタック、前衛の動きへの指示など、的確な動きと指示が求められます。

 

当クラブではメンバー10名のうち、前衛担当5名・後衛担当5名です。

 

試合はほぼ(というのは院長も勉強不足で正確に理解していません)一般のバレーに準じていますが、ネットの下でボールのやり取りをします。。

ネットタッチとか、ボールダブルタッチとか、ボールに触っている時間とか、審判員はしっかり見ています。

院長はチームドクターの権限?で試合を間近で見ながら応援するのみです。

(応援に来てくれたスタッフたちは観客席で)

 

キャプテンAさんの力強いボールは健在。

マネージャーBさんがムードメーカーです。

健常者メンズも頑張っています。

昨年からスタメンに昇格した兄弟も、昨年よりずっと動きがよくなっています。

新メンバーのCさんが、50代とは思えないフットワークで動き、前衛の彼らに指示を出しています。

Cさんは名古屋に転居でチーム入り。

小学生の頃からフロアバレーに親しんでいたそうで、その道何十年のベテラン。

視覚障害は軽度ですが、バレーの動きに障害を感じさせません。

それでも病気や日常の不自由さについて話してくれました。

 

晴眼者以外は全員が何らかの目の病気を持っています。

病気の病態は、眼科医である院長はしっかり頭に入っているつもりです。

しかし、当事者の見え方(の変動)や感じ方(痛みなど)は、話を聞いてみて初めて知るところとなります。

病気が一種類だけでなく、複数の病気(角膜・網膜・視神経などなど)を合併している場合もあります。

当事者の話を聞くことが、眼科医として大変勉強になります。

 

試合は接戦でしたが、今回は良い結果とはなりませんでした。

それでもGOOD JOB! です。

 

来年に向かってもう練習計画が出ています。

 

晴眼者のメンバーには大学生もいます。

ガクチカ(学生時代に力をいれたこと)になること請け合いです。

興味ある方歓迎です。

チームドクターより広報の院長です。

こちらもご覧ください

2023.1.31 白い杖の来客

2023.2.14 とっさの一言

2023.3.7 残りを活かす

2023.5.16  チームドクターは広報でもある

2024.2.6  スポーツでいい感じ~

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.3.5  ライトアップ in グリーン運動

今週から白衣の襟元にピンバッジをつけています。

緑内障啓発活動の一環です。

緑内障を表すグリーンリボンに’傾斜乳頭’と’リムの菲薄化’をイメージしたデザイン。

英語でglaucoma(緑内障)と記されています。

緑内障専門医から見たら『いいね!』のバッジです。

 

今年は3/10~3/16が緑内障週間です。

世界緑内障週間は2008年から世界一斉に行われている緑内障啓発のための国際的イベントです。

毎年3月上旬の1週間を世界緑内障週間(World Glaucoma Week)と定め、種々の啓発活動を行っています。

日本では日本緑内障学会と緑内障フレンドネットワーク(患者団体)が組織に加わっています。

日本でも啓発活動(健康講座や講演会)が行われてきましたが、限られた対象者に対する活動になりがちなため、2015年からグリーンライトアップが実施されました。

緑内障に関心がない一般の人たちへの啓発効果もあり、以後毎年実施されています。

 

緑内障なので漢字の通り「グリーン」のライトアップ。

想像しやすい色だと思います。

『ライトアップ in グリーン運動』は、2015年~2017年は全国の公共機関を中心にライトアップ。

その後2018年より医療機関でのライトアップを実施し、当院も当時より参加しています。

 

なぜそんなに緑内障啓発運動をするのか?

緑内障は我が国における中途失明原因の第一位だからです。

緑内障と診断されると、患者さんによっては『失明』と言う言葉もよぎります。

しかし、早期発見早期治療をすれば、失明はもちろん高度な視覚障害も免れることは可能です。

 

ただし、初期の緑内障は自覚症状に乏しいため、自分で気づくことはほとんどありません。

当院でも、コンタクトレンズ処方や結膜炎・白内障など全く別の訴え・症状で来院された患者さんから緑内障を見つけることが度々あります。

他のことがきっかけであれ、緑内障が見つかったことは(不幸中の)幸いとお話ししています。

未発見のまま進行している・進行していくことが多い病気だからです。

緑内障は、一生付き合う病気です。

 

院長の眼科医人生(30年以上)において、緑内障の診断技術・機器・治療法は著しく進歩しています。

しかし未だ緑内障についてすべては解明されていません。

少しでも進歩について行けるよう院長も精進していくつもりです。

緑内障と一生付き合う患者さんと一生お付き合い(診療)するつもりで。

 

『また来てくださいね』『また今度お待ちしています』を繰り返し、いつしか患者さんとは10年20年のお付き合い。

 

当院の花壇でもこじんまりですが、緑内障週間中ライトアップします。

グリーンに感化されて、緑内障検診を受けてみようと思う人が増えると幸いです。

 

こちらもご覧ください。

2021.3.2 グリーンにライトアップ

2022.3.8 世界緑内障週間2022

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2024.2.27 me散歩

小さなクリニック(当院)は、患者さんの小さなことに耳を貸しお手伝いするのがウリです。

ロービジョン然り。

まず日常でどんなことが困っているか、どんなことが一番したいかによって、眼鏡を処方したり、遮光レンズを入れたり。

拡大鏡選びのアドバイス(LEDライト付きルーペが好評です。当院取り扱いあり)をするだけでも、ぐっと生活がしやすくなります。

読みたいところがはっきりわかるタイポスコープを作って差し上げたり、お役立ちアプリを教えたり。

大病院と違い、『プチ(小さな)ロービジョン』です。

回復を望めない病気では、小さなケアもQOLのお役に立てれば…の一心。

神様にはかないませんが…

 

さて先日、ある小説を読んでいたら、目の神様が出てきました。

散歩好きで健啖家で女性とのコミュニケーション大好きな90歳に近い高齢男性が主人公。

妻と3人の息子との日常・散歩での出来事を綴った小説です。

その中に『新井薬師』が登場しました。

新井薬師は目の神様としても有名です。

目の神様巡りを趣味とする院長は、その場面に食いつき。

新井薬師はお話の流れで出てくるのですが、目に留まったからには俄然行きたくなりました。

 

毎月第1日曜日は境内で骨董市をやっています。

この日に合わせていきたいものの、なかなか都合がつきません。

そもそも骨董品をしっかり見たことがない院長。

小説の中でも、主人公は骨董市店じまいの時間に出かけています。

小説では、古伊万里の角皿が12万円と出ており、素人には怖そうな値段(価値があっても)…

行けるときに行こう。

 

新井薬師は東京中野区にあります。

自分も小説のように散歩の一環としていきたいのですが、何せ東京。

新幹線と山手線と西武を乗り継いでいきます。

 

新井薬師の目の神様の由来とは…

寛永六年(1629年)徳川二代将軍秀忠公の第五女和子の方が、悪質な眼病にかかられた。

父君秀忠が大いに憂慮して、名医、名薬、祈祷八方手を尽くしたが効果がなく、万策つきた時、本尊の霊験を聞き、人を遣して当御本尊に祈願せしめた。

 

すると、難病も全く快癒したので、大いに悦び、多くの御礼を賜り物として寄贈された。

このことは、たちまち天下に広まり、江戸はもとより、全国各地から参詣者が訪れるようになった。

 

『新井薬師前』駅は普通列車しか停車しない小さな駅。

それでも、駅員さんに新井薬師への道順を聞きます。

知らない場所ではグーグルも起動しますが、人に尋ねる方が信頼性が高いと思うアナログ人間です。

『出たら左に曲がって、まっすぐ行くと5叉路に出るので、1時の方向に進んだら右にあります』

1時方向という指示が新鮮(眼科ではロービジョンケアで使いますが)。

駅前も小さな商店街で、シャッターが閉まっている店も多数。

言われたとおりに道を歩いて行くと、ありました。

こじんまりとした人影少ない境内ですが、骨董市の日は賑わうのでしょう。

お祓いを受けている人々も。

どんな・誰の眼病治癒願い?

 

いつもながら、患者さんの眼病治癒と、眼科医としての診療技術の向上を祈願。

他力本願・神頼みも少しならいいよね~(眼科医としての研鑽は当然)

今回も、お守りをいただいてきました。

意外と拝観はあっさりの院長ですが、目の神様にたどり着いた感慨はひとしお(いつも)。

これからは目の神様巡りを‘me(目)散歩‘としよう!

迷医ゆえの満足かもしれませんが、患者さんにご利益がありますように。

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2024.2.13 2024 花粉シーズンと目元

今年もスギ花粉情報が発表されました。

春に飛散するスギやヒノキの花粉数は

前年の6~7月の日照時間&前年春の花粉飛散量

が大きく影響します。

前年(2023)春は全国的に飛散数が多かったので、今年の雄花は前年より減少する見込み

また、東日本を中心に前年の猛暑で日照時間は例年比やや増加

ということで、今年の予想は…

大量飛散の前年(2023)と比べてやや減少の見込みです。

良かった、良かった…

スギ花粉症の院長も一安心と思いきや…

全国的にはやや減少なるも、愛知県では前年を上回る見込みとのこと。

名古屋市では、過去5年平均飛散数2916個/㎠に対して今年は4955個/㎠とUP。

 

患者さんは早期治療を開始するに越したことはありません。

眼科では、点眼薬が主で、内服や塗り薬を処方することもあります。

まずは、自覚症状がないうちから弱めのお薬を始めましょう。

回数も2回型と4回型がありますが、症状と患者さん(性格や生活様式)に応じて決めていきます。

同じ薬でずっと効く場合もあれば、花粉の飛散量や行動パターンの変化により、薬を変える場合もあります。

まずは、抗アレルギー剤から始め、きちんと使用しても効かない場合は、点眼の変更やステロイドの追加を考えます。

 

アレルギー性結膜炎がひどいと、レンズが汚れやすかったり、ゴロゴロしたりします。

コンタクトレンズを中止するのが最良ですが、その他、2週間タイプソフトコンタクトレンズ(SCL)使用なら1dayタイプにするのも眼への負担は少ないです。

更に、抗アレルギー剤がSCLに含まれている1dayタイプの商品もあります。

そのSCLを使用しているときは、抗アレルギー剤の点眼をしなくてもよい利便性があります。

また、SCLの上から点眼をして(眼科医の許可を得た場合)、点眼の水分でアイメイクが滲むことも防げます。

院長が、昨年ゴルフ場で使用した経験では、大変快適でした。

アウトドアで過ごすことがCL多いCLユーザーは、試してみるのも良いと思います。

 

アイメイクの滲み・崩れは、女性なら気になるもの。

院長は、遅まきながら(遅まきが多い)メイクレッスンに通って、お化粧の凄さを実感しました。

良い化粧品(発色とか)と、化粧技術で、見た目は変わることを。

40代の頃までは、素の目力で勝負!なんて思っていたけれど、目元こそしっかり手入れしないといけない50代(院長)でした。

 

点眼薬一滴入れても、多くは流れてしまうので、きちんと拭かないと目元の化粧崩れの原因になります。

また、中年以降の目元の化粧崩れの原因として、涙がよく出るという訴えもあります。

涙が継続的に出ている場合は、鼻涙管閉塞(涙の流れていく穴から鼻につながる管のつまり)の場合もあります。

しかし、多くは、中高年のドライアイによる現象です。

常に目の表面が潤っていないため、すごく乾いてくると、脳から涙を出す指令が強すぎて‘じゅわ~‘と出てしまうのです。

涙の質を安定させる治療をします。

院長も最近、風にあたると涙が出ることがあります。

眼鏡の時は、レンズに涙の水滴が付きます。

 

眼科医も長くなってきましたが、加齢による実体験も仕事に大きく活きていると感じます。

加齢=良いことでもある。

ポジティブシンキングです。

 

こちらもご覧ください

めんぼ・ものもらい・何?

花粉症ゴホゴホ

そろそろ花粉症

花粉そろそろ

花粉そろそろ

スギ飛んでる、飛んでる

今年の花粉症(自身編)

ヨーグルトと花粉症

耳がダンボ

そろそろスギ花粉

今年も花粉症

スギ,日本の財産

マラソン再び  そして花粉症

そろそろ花粉症…

インペアード・パフォーマンス

そろそろ花粉症の予防を

そろそろ花粉症シーズン

花粉症 とあるスギ花粉患者さんとのエピソード

うれしかった患者さんの来院

食べながら偲ぶ

来週の『公センセの部屋』はお休みです。

カテゴリー:眼に関すること

20234.1.9  たき火だ♪たき火だ♪

新聞を読んでいたら『サルがたき火』の記事が。

サル好き、特に二ホンサル好きな院長。

サル山は動物園で大好きな場所です。

 

今回の記事の場所は、日本モンキーセンター。

たき火にあたるサルは冬の風物詩とのこと。

 

期間限定、早速見に行かねば。

駅でモンキーパークきっぷを購入。

名古屋・犬山往復切符。

犬山からバス1日乗り放題(といっても1時間に1本のダイヤだと後から知る)。

モンキーパーク入場券。

 

久しぶりの犬山。

駅からは丁度バスが待っていて、思いのほか満員。

モンキーパーク経由リトルワールド行きなので、みんな観光客です。

一駅目のモンキーパークで下車した人は数人。

 

モンキーパークの入り口に向かっていくと長蛇の列。

反対方向に動物園の案内。

サルを見に来たから、動物園側から入ろう…

こちらはガラガラ、ほぼ人がいません。

先ほど買ったチケットを見せると『これはモンキーパーク用なので、モンキーセンターは別に購入してください』

『えっ!?モンキーパークとモンキーセンターは違うんですか?』(一緒の認識の院長)

『9年前からモンキーパークとモンキーセンターは経営が別々になったんですよ』

最後に来たのは20年以上前。

と言うことで別に購入する羽目に。

 

たき火までは時間があったので、他のサルを見たりインフォメーションセンターの展示を見たり。

ワオキツネザル(原猿類)の眼窩(目の窪み)は骨の輪があるだけなのに、ニホンザル(真猿類)の眼窩は完全に骨で囲まれているそう。

ヒトの眼窩は当然しっかりと骨で囲まれています。

眼窩も進化しているのです。

 

網膜の裏側にある反射板(タペータム)を持たないため、眼球が非常に大きくなっているメガネザルは、片方の眼球だけでも脳より大きいとのこと。

 

ヒト専門の眼科医なので、サル(動物)については知らない事ばかり。

新鮮な情報です。

どの世界も奥が深い。

 

さて、お待ちかねのたき火にあたるサルがいるモンキーバレイに。

観光客は、谷のサルたちを見下ろします。

 

ここのサルは屋久島に生息するニホンザルの亜種ヤクニホンザル。

1956年に屋久島から来た子孫たちだそう。

煙がもうもうと立ち上る傍に、サルたちが暖まろうと集まっています。

一般には、火を怖がるはずのサルたち。

1962年から60年以上続く冬の風物詩だそうです。

最初の誰か(サル)が、好奇心旺盛でたき火に近づいてみたのでしょう。

危険ではなく、むしろ有益(暖まる)を実証して見せ、周りに伝え、周りも真似して…

そして代々モンキーセンターのヤクニホンザルだけが、たき火を安全安心なものだという認識(先代や周囲の行動から)を持ったのでしょう。

人間だってそうですが、サルだってそういう経験に基づいた習慣が出来るようです。

 

温泉に入るサルもそう。

地獄谷野猿公苑の温泉に入るサル(とても素敵な写真絵本があります)。

湯の川熱帯植物園のサルも。

 

ニホンザルは、個々の行動が違っていて面白いから好きです。

子どものサルは、追いかけたり追いかけられたり、喧嘩したり。

大人のサルは、たき火にもどっしり。

温泉にもゆったり。

 

知人にたき火の画像を送ったら『いいね!』のスタンプと『私もサルみたいに生きたいな』の返事。

って、どんな生き方?

 

今年も宜しくお願い致します。

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.12.12 簡単に手に入るけど…

『コンタクトレンズが欲しい』

コンタクトレンズ(CL)希望の患者さんは毎日来院されます。

ただし、CL量販店やネット購入が容易に出来るようになったせいか、当院のような専門医のいる眼科で処方・定期検査を受ける患者さんは以前より少なくなっています(日本コンタクトレンズ学会調べ)。

一般眼科の併設CL店では、量販店やネットほど安くはありません。

ただし、一流メーカーオリジナルの定期購入お得プランはあります。

 

当院の強みは、院長が患者さんを把握、生活や訴えに応じてレンズの種類や度数を決定していること。

その時のヒアリングはとても重要です。

何を一番見たいか?

どんな仕事に対応?

どんな趣味に対応?などなど。

しっかり聞くことで患者さんとの距離も近くなります。

トライ&エラーもあり。

最終的に満足(もしくは妥協)のレンズを探します。

 

また、CL処方の可否だけでなく、『他に病気は、ねーが?(秋田弁)』を意識して他の病気の早期発見・早期治療を心がけていること。

 

さらに、CL以外のお悩み相談?にも速やかに対応するところ、だと思っています。

 

先日、患者さん(中学生)が、度が合わなくなったからソフトとソフトコンタクトレンズ(SCL)希望で来院。

装用してきたレンズの度数は、現在の近視の半分。

聞けば、2年前に量販店で処方された度数をそのままネットで購入し続けていたとのこと。

もちろん定期検査はなし。

そして充血がひどい。

本人も家族も『いつものことだから』

いやいや…

重度のアレルギー性結膜炎。

CLを中止して治療です。

眼鏡も持っていないので、すぐに作るように話しました。

CLは眼鏡と併用で。

眼科医の定期検査を必ず受けること(自覚と他覚は違います)。

 

CL店(みどりコンタクト)を併設する眼科医(院長)は、毎年、『コンタクトレンズ販売管理者継続的研修』を受けます。

 

CLは高度管理医療機器なのでそれに伴う法律の確認や、CLの合併症(権威ある眼科医の講義)など再度勉強します。

 

SCLの合併症は20~30代(最近は10代も)が最も多い。

1デイSCLでも、正しく使用しないと合併症が起こります(使用は1回限り)。

合併症の中でも、失明に至ることもあるのは、角膜炎。

緑膿菌とアカントアメーバが2大原因菌。

SCLは水道水は禁忌・こすり洗いも保存も専用液でしましょう。

こすり洗いが重要。

オールインワンタイプの洗浄液は便利ですが、消毒力では過酸化水素やポピヨンヨードが優れています。

レンズケースも意外に汚染されているので、自然乾燥を心がけ、SCLは1.5~3か月毎、HCLは半年から1年毎に新品に。

HCLは長期使用しない場合でも、週に1度は保存液を換えましょう。

 

長く当院でCL定期検査を継続される患者さんには、急にドカン!としたことは起こりません。

CL処方が目的ですが、いくらかは院長(の診察)目当てで来院されているなら嬉しいです(勝手な妄想)。

 

正しく使用すれば、生活の質を向上させる優れた高度管理医療機器。

でも…簡単に手に入る世の中。

正しい知識も価値も取り扱いも知らないまま手に入れられることは、一見ラッキーに見えます。

 

コスパもタイパもその時は良いかもしれません。

でも長い人生、ドカン!が起こり得ること・その代償も考えると、コスパもタイパも均(なら)されるのでは…と、オバサン院長は思います。

 

眼科医によるCL処方・定期検査を受けましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:眼に関すること

2023.11.28  出来ない事=しないこと?

今日は往診日。

スタッフは介助兼ドライバーです。

『あれ!?給油ランプが点灯してますけど…』

『では先に給油しましょう』

 

ガソリンスタンドでタッチパネルを押すのは院長の仕事。

給油口を開けてガソリンを入れるのはスタッフの仕事。

自分で給油…院長の出来ない(しない)事のひとつです。

給油計が停止し、スタッフが無事ノズルを抜いたのを確認する院長。

 

店員さんが給油をし、窓ガラスを拭いて、ゴミまで捨ててくれた時代がありました。

息子たちが保育園児の頃、園児のお母さんがガソリンスタンドで働いていて、給油の担当になると『○○ちゃんのママだ!』(知っている人を見つけると嬉しくなる年頃)と懐かしい思い出も…

いつの間にか、アメリカナイズ・コスト削減のため、セルフ式が広がり、今では周辺では全く見かけません。

 

さて、そんなセルフ式が導入され始めた頃。

ひと月に1~2人程度『ガソリンが目に入った!』と駆け込んでくる患者さんが。

待合室から診察室までガソリンの臭いが充満します。

聞けば…

給油口にノズルがきちんと入っていないままレバーを引いたら、ガソリンが吹き出した。

満タンのガソリンの給油口からノズルが外れて吹き出した。

などなど。

目の中に大量に入っていなくても、ガソリンは刺激性なので痛くてたまりません。

大量の生理食塩水で洗浄。

白目(結膜)や茶目(角膜)に炎症がないかを確認し、場合によっては薬を処方。

当時、院長はまだ有人スタンドを利用していたので、『恐怖のセルフ式』とインプット。

給油は自分でしない!と決意。

 

それから幾年月。

息子たちも運転をするようになり、セルフ式が当たり前の時代に。

それでも一貫して自分で給油出来ない(しない)院長です。

 

眼科には、ガソリン以外にも、何かの液体が目に入った患者さんが来られます。

 

掃除中の洗剤・漂白剤。

シャンプー・ボディソープ。

パーマ(まつ毛パーマが意外に多い)液・毛染め液。

新型コロナ流行以降は、アルコールスプレーも多くなりました。

 

目の中に薬剤が入った場合、その薬剤の性質・濃度・時間によって症状は大きく異なります。

また、酸性とアルカリ性では、アルカリ性の方が悪化することが多いです。

酸性薬剤としては、漂白剤が知られていますが、その他、酸性洗剤や実験等で使用する塩酸・硫酸があります。

酸は組織への透過性(粘膜に入り込む力)が低いので、障害は表層に留まることが多いです。

アルカリ性薬剤としては、アルカリ性洗剤・パーマ液・毛染め液・生石灰・セメントなどです。

アルカリは組織への透過性が高いので、時間が経つと目の奥(深層)までひどい障害を起こします。

 

昔は、運動場のライン引きに石灰が使われており、アルカリ外傷の代表例でした。

今の子は石灰なんて知らないかも…

 

目に何か入ったら、まず大量の水(水道水で可)で目を洗い流しましょう。

目安は10分以上。

 

眼科では、視力や目に異常がないかを確認します。

勤務医時代は、悲惨な結末になる症例も経験しました。

 

眼科医ゆえに、目にリスクがありそうなことは回避する傾向があります。

セルフ式の給油。

気になるまつ毛パーマも。

意外に小心者の院長です。

どちらもずっと出来ない(しない)だろうな…

 

 

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2023.11.14  おしょりん

『おしょりん』田畑を覆う雪が固く凍った状態を示す福井の方言です。

雪で覆われれば、回り道しないで田んぼをまっすぐ突っ切れる。

そんな思いで始まった福井の眼鏡作り。

実話にまつわる映画『おしょりん』を見てきました。

 

国産眼鏡の95%が福井県(鯖江)で生産されています。

なぜ福井?と考えたことはなかった院長。

 

北陸福井は豪雪地帯で、冬は農作業が出来ません。

当時の地元の権力者増永五座衛門(小泉孝太郎)に弟幸八(森崎ウィン)は、勤め先の大阪で目にした眼鏡をいくつか持って帰ります。

村を挙げて眼鏡作りに取り組み、地場産業としてやっていけたらと、兄たちに熱心に勧めます。

眼鏡を見たことも掛けたこともない五座衛門はじめ村人たちには、何に役立つかもわかりません。

その時、学校では黒板の字が見えず勉強ができないと思われていた女の子が、眼前5センチくらいの距離では教科書をすらすら読むのに気づき、試しに眼鏡をいくつか試してみます。

すると…ある眼鏡をかけた途端、『見える!お母ちゃんはこんな顔だったのか…向こうの景色はあんなのだったのか…』とびっくりします。

その女の子は、生来、目の弱い子だと思われていたので、眼鏡で改善したことに周囲は驚きます。

五座衛門は、技術者を呼び工場を作ります。

しかし、なかなか売り物になる眼鏡は完成せず、資金繰りに苦しくなっていきます。

技術の挫折、資金繰りの挫折、内輪もめなど、完成品となるまでの紆余曲折が描かれています。

男性たちを支えるのが、五座衛門の妻むめ(北乃きい)。

帳場制を取り入れての眼鏡作りは、切磋琢磨し合い、最後は万国博覧会で金賞を取るまでになります。

 

ものづくりは、こころづくり。

眼鏡は身体の一部や、使う人のことを考えなあかん。

眼鏡は視力の弱い人を救う。

 

鑑賞しながら涙・涙・涙…

 

女の子は、強度近視(院長推測)のため、遠くは見えず、近くはかなりの至近距離でピントが合っていたのです(だから本は読めた)。

遠視の場合、遠く近くともにピントが合わないので、早期に見つけて眼鏡常用が必要です。

映画の女の子は、その後ぐんぐんと成績が上がり女医を目指すようになります(またまた涙)。

 

眼鏡を掛けることで、鮮明な像が網膜に写る→脳に良い刺激を与える→理解しやすくなるという良い図式になります。

ぼんやり見えていると、刺激もあいまいです。

 

しかし、眼鏡店で直接作成した場合、強すぎる(過矯正)場合が多々あります。

屈折検査通りに入れれば、最高視力は出ますが、日常使う視力とは違います。

強めの度数でも、若年では調節力で自分の眼を眼鏡に合わせます(本末転倒)が、中年以降は確実に眼精疲労や頭痛を引き起こします。

また、他の病気があるかどうかは考慮されません。

眼科医に処方してもらうのがベストです。

 

さて、院長の眼鏡も福井(鯖江)製です。

新型コロナ以降、コンタクトレンズをやめて眼鏡で診療することに。

毎日かける眼鏡はフレーム選びにも、今まで以上に慎重になりました。

素材や作業工程などを知ると、やはり日本製品は優秀・安心です。

 

そして、眼鏡店選びも重要。

眼鏡の知識、メンテナンスの技術など、眼鏡店(スタッフ)によってかなり違います。

ファッションでもあるけれど、医療(矯正具)として使う人のことを考えてくれる眼鏡屋さんに出会えますように。

 

 

 

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2023.11.7  マイボーム腺問題

ドライアイは、誰でも知る病気となってきました。

涙の分泌が少ないか、蒸発が多くて目が乾く自覚があります。

涙は、3層構造になっていて、表層から水分・油分・ムチンとなっています。

ムチンは涙と角膜をくっつける役割をしています。

つまり、目の表面に涙を均一に乗せてしっとりさせる役割があります。

 

油分は、涙の蒸発を防ぎます。

ヒトの瞼の際には、マイボーム腺という油分の出る分泌腺があります。

まつ毛の生え際より内側の、通常は透明の目立たない小さな穴口です。

ここから出る脂がとても重要です。

 

マイボーム腺は、しっかり開口していると、穴口は目立たず、透明な油がさらさらと分泌され、目の表面を覆います。

マイボーム腺機能が上手く働かないと、まぶたの辺縁もギザギザ(不整)になったり、毛細血管がまぶたの際に浮き出てきます。

また、脂がまぶたの際やまつ毛にまとわり付いていることもあります。

穴口が詰まると、際にぷつっとした油のふくらみ(タピオカサイン)や、白い粒のようなものが出来ます。

 

眼科医がふくらみを圧出すると、粘度のあるねっとりした脂が出てきます。

 

今年、日本眼科学会から『マイボーム腺機能不全診療ガイドライン』が出たくらい、マイボーム腺問題?もホットな昨今です(眼科医にとって)。

 

マイボーム腺をきれいに、健康的に保つためには、

1.目の温めを。

眼科では温罨法(おんあんぽう)と言います。

ガイドラインで、実施を強く推奨!です。

院長が研修医の頃には、古い病院に温罨法の器具もありましたが、現代とは用途が違ったかもしれません(使用経験なし)。

最近の温罨法は、蒸しタオルや市販の温かくなるアイマスクのことです。

脂の線を開口させ、きれいな脂が出るのを促します。

リラックス効果もあるので、眼精疲労にも効果大です。

 

2.まぶたの洗浄を。

ぬるま湯か専用のアイシャンプー(当院で取り扱いあり)で目元を優しく5回くらいなでるように洗う癖を付けましょう。

冷たい水はお勧めしません。

アイシャンプー使用で格段にまぶたがきれいになり、すっきりします。

アイメイク落としにも良いですし、高齢者の目の周りの不快感には特に有効です。

 

マイボーム腺機能不全は、加齢になるほど増加し、50代で32.8%・60代で41.9%・70代で48.4%・80代で63.9%と報告されています。

加齢に伴い、マイボーム腺が要因の目に不快感が増えてくるのも納得です。

院長は50代ですが、毎日の温罨法とまぶたの洗浄のお陰か、マイボーム腺機能は健全です(32.8%に入っていない)。

 

毎日患者さんの眼球も眼瞼(まぶた)もしっかり観察(診察)している院長。

もちろんアイメイクも見ています(目に入る)。

 

かなり遅まきながら、少し前から美に目覚めた!?院長。

メイクアップ教室に通ったし、化粧品も良質なものを使うように。

 

先日、新しいアイラインを付けたら、夕方スタッフに『センセイ、目、ぶつけました?』

鏡を見ると、無残なパンダ目。

早速、お店に行き、メイクの仕方をもう一度習います(申し訳ないので、何か買う羽目に。その繰り返しです…)。

 

ナチュラル(すっぴん)は恥ずかしいお年頃(院長です)。

メイクは念入りに(マイボーム腺まで埋めないように)。

そして、クレンジングは更に念入りに。

お肌もマイボーム腺もケアは大事です。

オバサンだって(それなりに)綺麗に見られたい願望はエンドレスです。

 

 

 

 

 

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