2020.5.19 ひょっとこ顔に!?

ある晩、右眼が『すーすー』

角膜に傷でも付いたかな?

最近は、飛沫感染予防にコンタクトでなく眼鏡にしているけど…

角膜保護剤の点眼をしておこう(眼科医ならでは自己診断治療)。

翌日も『すーすー』が続きます。

まぁ、若い人より回復力は遅いから…

 

と、その日の夕食時、唇の内側右寄りを2回噛んでしまいました。

『加齢で口の中の肉がたるんできた?』

 

翌朝、相変わらず右目は『すーすー』

洗面所でうがいをしようと、水を含んだら唇の右側から漏れます。

食後のコーヒーも気を付けて飲まないと漏れてしまいます。

唇の裏を確認し、腫れが原因?

 

診療後、長年連れ添うスタッフから『先生、右目、腫れてません?』

マスク姿なのに、よく気が付くわね~。

ものもらいや結膜炎はありません。

細隙灯顕微鏡で写真を撮ってもらうと、角膜に横方向の細かい傷が。

 

仕事終了後、鏡の前で自分の顔をしっかり観察。

このところ、マスク姿を良いことに、目元だけの簡単メイクだったので、顔をじっくり観察することも少なくなっていました。

もしや…と思い『あ・い・う・え・お』と大きく鏡の前で声に出して言ってみます。

やはり…

顔の動きが明らかに左右違います。

右の口角が上がらないので、『う・お』は顕著に左右差が。

右目は腫れているのではなく。右眉毛が上がらない(下がっている)ので相対的に右瞼も下がり腫れぼったく見えます。

両眼をつむってみると、右眼はしっかり閉じず隙間が出来ます。

この隙間に一致しての角膜の傷でした。

いずれの症状も、顔面神経支配の顔面の筋肉が上手く動かないからです。

 

『大変!顔面神経麻痺になっちゃた!』

『どれ、どれ~』と家人。

顔面神経麻痺の患者さんを診断するときのルーティンを妻(私)にもして、『確かに、顔面神経麻痺だね~』

『耳痛くない?』発疹はなし。

『ヘルペスは出ていないみたいだね。もう一度、あいうえお、やってみて』

『あ・い・う・え・お』

『ホントに、ひょっとこ顔だね~』

同業者ならではの言葉に、納得。

『ひょっとこ』は火吹き竹で火を吹く顔が、顔面神経麻痺のようだと言われています。

 

声を聞きつけて、息子が。

『すごい!実物、初めて見たわ!もう一回やって。すげぇ、すげぇ。もう一回!』

『あ・い・う・え・お』

赤ちゃんを喜ばすように、何回もやってみせる愚母(私)。

『一生忘れんわ』と、息子。

 

顔面神経は脳から発し、側頭骨の中の顔面神経管を通り、顔面に分布しています。

多いのは顔面神経管の炎症(ヘルペス感染のほか、疲労・ストレスなど)による、『ベル麻痺』と言われるものです。

他に、骨折などの外傷・脳腫瘍や耳下腺腫瘍が原因となることもあります。

 

幸い頭蓋内は異常なし。

ヘルペスの所見もなく、ステロイドと神経賦活剤の内服となりました。

『日本酒飲みますか?』と受診先の先生。

繊細な味を舌先で味わう日本酒を嗜む場合、舌先も顔面神経支配なので、違いに気づくそうです。

『3か月で8割は治癒しますから』

常識的なことを言われても、『ということは、2割は治らない?このままだったら、どうしよう?』と、急に患者サイドでまだ起こりえないことを考えてしまします。

顔面神経麻痺でしっかり閉瞼できず、角膜障害のひどい患者さんを多く見てきました。

『どうしよう?』

 

しっかり服薬。

激しい運動を休んで、ゆっくりとした生活を。

鏡の前で『あ・い・う・え・お』リピート。

1週間単位で徐々に改善。

 

マスクのお陰で人には気付かれず、約1か月で完治。

完治したからこそですが、良い体験でした。

今も毎日『あ・い・う・え・お』確認の院長です。

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2020.5.12 WEBで学会

3月初め、4月の日本眼科学会総会は会場開催中止、WEB開催に変更となりました。

その後、5月、6月、7月の他の学会も全てWEB開催となり、現地の会場へ足を運ぶ必要はなくなりました。

参加登録費は必要ですが。

 

さて、初めてのWEB学会。

日本眼科学会総会は、秋の臨床眼科学会と並ぶ2大眼科学会です。

今回は東京で開催予定でした。

 

厚みのあるプログラムはいつものように送られてきます。

その後、開催間近になると、ログインIDとパスワードが送られてきます。

 

当初の学会開催時期より約2週間遅れで配信開始となりました。

 

パソコンの前に座り、ログインして、視聴ページに到着します。

日付、会場、演目などで検索すると、該当するプログラムが出てくるので、そこをクリックすれば視聴できます。

スライドを次へ次へとめくっていくのですが、音声付きのもあります。

演者の顔は見えません。

質疑応答もありません。

しかし、自分のペースで、スライドを進めたり、戻すこともできます。

集中力が続かなくなると、一旦休止することもできます。

また、リアル学会では、同時刻に一つの会場でしか聞くことが出来ないのですが、WEBでは同時刻の他の演目も視聴することが出来ます。

視聴期間は2週間(先日もう1週間延期決定)。

特別講演、指名講演、シンポジウム、教育セミナー、日曜日特別講演、外国人招聘講演に加え、一般演題が513題。

GWは、自宅でWEB学会→集中力低下し休憩→WEB学会。

休憩の方が長くなってしまいがちでしたが、かなりの演目を視聴することが出来ました。

 

勉強できたのは良い、見返しも可能、時間とお金の節約(休診・代診・交通費・宿泊費など)。

 

でも…いつものような高揚感がありません。

 

大きな学会は、『行くぞ!』と気合の入るイベントです。

限られた時間の中で、いかに自分にとって聴きたい題目に集中し、多くの知識を得るか。

少しだけ合間にお楽しみを入れるのもコツです(今回はホテルで朝ごはん女子会の予定でした)。

大いに勉強し、興奮し、リフレッシュし帰名。

が、いつものパターン。

 

WEB学会で通常より多くの演題を視聴出来ました。

でも、自宅で…ということからか、緊張感ゼロ。

服も普段着以下だし…(学会へは気合を入れて装います)。

誰もいないので、飲食物持ち込み自由だし…(会場では禁止です)。

臨場感ゼロ…が一番の欠点。

 

今後どっちに向かうのかしら???

 

WEB学会とは別に、先日、病診連携先の病院の勉強会がZoomを通して開催されました。

ビデオ会議システムは初の院長(私)。

病院の会議室、東京の演者の部屋、別の演者の部屋と3会場からの中継でした。

参加者は、自分の映像を付けても切ってもOK。

開始は20時過ぎだったので、院長は普段着に。

敢えて?間違えて?自分の映像を映している参加者は、視聴者に映るので『〇先生ってああいうTシャツ好みなのね』とか『〇先生の居間なのかな~』なんて思ったり。

『あくびしてる』とか、『何かお疲れモードみたい』とか表情の観察をしたり。

それでも、質疑応答も出来、リアルタイムで、会場に行かずして講演を聞けたことは有意義でした。

1時間半くらいならZoom歓迎です(院長私見)。

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2020.4.28 Let’s exercise! 運動しよう!

*2001にワープしています*

 

この数年間、妊娠出産育児と慌ただしい毎日で、運動どころではありませんでした。

しかし、三男の夜間数時間おきの授乳がなくなり、寝不足で診療せねばならなかった時期も過ぎると、運動不足を意識し始めました。

開業医&3児の母としての体力と健康は、特別なことをしなくてもキープしてきましたが、今後も維持するには、意識的な『運動・体力作り』が必要と思った次第です。

 

手っ取り早いのは、ウォーキングです。

扇川沿いの歩道はウォーキングに最適。

しかし、我が家の場合、仕事以外で一人で外に出ることは困難な状況です。

子供たち(保育園児)が絶対ついてくるからです(母大好き)。

ウォーキングではなく、母と子のお散歩タイム(これはこれで幸せな時間です)になってしまいます。

体力作りには…ということで、ウォーキングは没に。

 

本格的となれば、スポーツクラブです。

ちょうどクリニックから車で5分くらいの所にジムがあります。

ただ、仕事柄、そこそこ顔が知られてしまっています(地元開業医なので)。

会員であるスタッフは、良く患者さんに出会うと言います。

運動姿を見られ、汗をかいて化粧の落ちた顔を見られ、再び着替えてメイクをした(している)顔を見られ…

想像しただけで億劫になり、入会する気が失せてしまいました。

遠方のジムは、顔見知りがいないものの、昼休みに家事をする時間も必要なので、諦めざるを得ない状況です。

 

で、そういえば…

と、思い出したのが、納戸に放ったままになっていた夫のエアロバイクでした。

早速、居間に運んでもらい、新しいシューズも購入しました。

 

居間にエアロバイク?

ついこの前までは、子供用のプレイジムや、乗り物が置いてあったので、それがエアロバイクに置き変わっただけ。

と思えば、それ程違和感もないような…?(元々雑多な居間です)

 

いつ時間を捻出するか?

誰にも邪魔されず、すっぴんでもいい時間。

朝型の私は、いつもより30分早起きをすることにしました。

5時半起床。

 

初日、定時起床、30分間エアロバイクを漕ぎました。

ヘトヘト…

しかし、3日は続けるぞ!という気合で1週間続けました。

そして、1か月続きました。

やがて習慣化し、約1年になります。

負荷も少しずつアップし、距離で約10キロ走っています。

 

テレビを付けたり、少し暗めにしてジャズをかけてみたり。

夏の朝は窓を全開にして涼感を味わったりしながら。

バイクを漕ぎ始め10分過ぎると、汗がじわじわ吹き出してきて、ややつらいけれど気持ちの良い状態に入って行きます。

更に、アドレナリン放出のせいか、ランナーズハイ(未だ経験なし)?に近いような…?

そして30分経ち、終了と同時に汗が滴ります。

シャワーを浴び爽快に一日が始まります。

 

我が家で一番良い場所に置いて正解でした。

子育てにもう少し余裕が出来たら、腹筋マシンも欲しいな…

 

自慢できるほどの運動ではありませんが、毎日のライフスタイルに組み込まれ、エアロバイク無しでは物足りない生活になっています。

もっとも、本格的に運動している人からは『なんだ、それくらい』と言われそうですが。

あと30年は続けたいと思っています。

 

Let’s exercise!

 

:2001.11保険医協会新聞に寄稿:

*****************************************

三男が2歳になった頃から、始めたエアロバイク。

あれから20年、運動はますますエスカレートして継続中です。

現在の院長は、当時より脚力・腕力・筋力全体に増加。

体内年齢は31歳。

その変遷は、別の機会に。

 

こちらもぜひ、ご覧ください

どっぷり、がっつり 

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2020.4.14 『あいうえお』から

ここのところ、スマホ・PC・読書・テレビの時間が増えています。

 

リアルタイムのテレビ視聴は、3月までの朝の連続ドラマのみでしたが、最近はNHKニュースは欠かさず。

最近の重大会見では、同時手話通訳も行われています。

 

あちこちチャンネルを替えてみたり、番組欄をよく見るようになると、NHKのEテレも興味深い番組が多々。

『見つかる、見つかる、見つかるEテレ♪♪』というフレーズを口ずさんでしまう院長。

 

ある日、手話の番組を目にしました。

手話にマスクは困るよね…

 

ふと、思い出したのは、国立リハビリセンターでの『障がい者スポーツ医』講習会。

新型コロナの話題が出始めた頃。

聴覚障害スポーツ担当講師(耳鼻科医)から、聴覚障がい者はマスクがあるとコミュニケーションが取りづらい話を聞きました。

だから、平時の診察時はマスクはしない。

手話が、単に手の動きだけではなく、顔の表情も大きく関わってくるからです。

なるほど~

 

当院には、4人の先天性聴覚障害の患者さんが、今までに来院されています。

意味として聞き取りが出来る発語の方も、そうでない方もみえます。

言葉を知らない外国の人と意思疎通するような、大きな身振り手振り、表情を駆使しコミュニケーションを図ろうとする院長ですが、細かなことは筆談です。

短い時間で会話のすべてを文章で書くのは難しいので、単語か、短文になります。

『困っている』とか『嬉しい』『安心した』という表現は、患者さんの表情や身振りからも推定。

患者さんも、院長の身振りと顔の表情、口の動きで理解しようとしてくれます。

 

Aさんは、20年以上お付き合いのある患者さんです。

ほぼ1~2か月おきに来院されます。

身振り手振りと表情で大まかにコミュニケーションを取り、その後、筆談で診察の結果や薬の確認をします。

Aさんが院長の白衣から覗く服を褒めてくれたり、Aさんの新しいカバンに気づいたり…など診療以外のコミュニケーションもあるのですが、手話の使えない院長は、見た(見えた)感じで判断しています。

発語の際は、手話も伴うことが多いのですが、表情を読み取るのに精いっぱい。

 

そんな経緯もあって、早速テキストを購入。

 

『手話』は手の動きなどを使ってメッセージを伝えあう『視覚言語』です。

目を合わせて会話し、眉の上げ下げや目の見開き・細かい首振りも重要な役割をします。

手話にも単語と文法があり、それをまず覚えないといけません。

ふだん使っていない指の動きは、なかなか難しいものです。

 

まずは『あいうえお かきくけこ』まで。

繰り返し、指を曲げたり伸ばしたり。

家人に『あいうえお かきくけこ の中から何か単語言って!』

『こう』(手話の単語で表現する院長)

『いけ』(同上)

『かき』(同上)

『おかき』(ちょっと待って~と、テキストで確認する院長)などなど。

子供がひらがなを習い始めた時のようです。

今から覚えられるかしら?

 

『久しぶり』

『元気』

『さようなら』

『お願い』

『〇歳です』出来る挨拶は、まだこれだけ。

 

手話の道は始まったばかりですが、道のり険しそう…

 

まずは、手話でAさんに挨拶(だけ)してみます。

 

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障がい者スポーツ医

GW10連休前半

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2020.4.7 ラーメンとノスタルジー(郷愁)

テレビで袋インスタントラーメンの特集をやっていました。

『どうしても食べたい』その気にさせる番組、恐るべし。

独身時代以来の購入。

選んだのは5種類。

 

まずは、一人のお昼ご飯に。

インスタントラーメンだけでは、何か栄養バランスが悪い気がして、ゆで卵と野菜を添えます。

『出前一丁』

最後にごまラー油を回しかけると、しょうゆとごまラー油の混ざった香りが、小学生の私(院長)を呼び起こします。

当時、土曜日は午前授業でした。

土曜のお昼は、仕事で不在の母に代わって祖母が用意してくれたのですが、『出前一丁(具は思い出せない)&ご飯』が定番。

『小学生・祖母・土曜日昼ご飯』と脳内を検索すれば『出前一丁』の懐かしい味と思い出です。

 

次に用意したのは、『チキンラーメン』

丼ぶりに熱湯を注いで3分。

まだ固まっている麺をほぐすと、麺にしみこんでいるスープがお湯と混ざっていきます。

『出前一丁』に比べ、やや塩辛くって、ジャンクフード的な味が、今度は別の私を呼び起こします。

まだ保育園か小学低学年の頃、剪定に来る庭師さんは、お昼になると、よく丼ぶりとお湯を祖母から借りていました。

丼の中には、ラーメン(持参と思われる)が入っており、祖母がお湯を入れて蓋をして渡します。

数分待ってから食べている様子が、とても美味しそうでしたが、家では絶対出ませんでした。

味を知らないまま、祖母が亡くなってずいぶん経ってから、ふと、チキンラーメンを思い出し、買ってみました。

期待ほどでなかった(個人的感想)…

今回も、やはり同様な感想。

やっぱり、鍋で調理する手間がいるインスタントラーメンの方が美味しく感じました。

 

カップラーメンを始めて食べた時の衝撃も思い出しました。

小学3年生の時、5,6人で担任のY先生(おそらく50代)のお宅に遊びに行った時のこと。

お昼になり、子供たちの前に並べられたのは、『カップヌードル』

先生は、紙のフタをめくると、やかんから熱湯を注ぎます。

『何だろう、何だろう?』鍋で作るインスタントラーメンしか知らない田舎の子供たちです。

カップ麺の前に鎮座。

タイマーが鳴ると『食べて良いですよ』

カップの中には出来立てのラーメンが。

しかも、初めて見る具が。

『すごい、すごい!』大興奮して食べた初カップラーメンの感激は、今も覚えています。

Y先生、お元気でしょうか。

 

別の日に、食卓に出したのは『サッポロ一番』シリーズ。

『珍しいね!どうしたの?』

スーパーの生麺のラーメン・ご当地ラーメンは作りますが、インスタントラーメンを食卓に出すのは初めて。

家人・子供たちは、一人の時や友達とインスタントラーメンは結構食べているはずですが。

ゆで卵・ニラ・ネギ・ニンジン・キノコ・豚肉などをトッピングして、一応手を加えます。

『味噌』『しょうゆ』『塩』

 

『小さい頃、どれ食べてた?』

『しょうゆ』

『うちも、しょうゆ味だけだった』

東海地方では、当時(しょうゆ1966年、味噌1968年、塩1971年発売)はまだ、しょうゆがスタンダードだったのかもしれません。

親世代がたまたま味に保守的だっただけかもしれませんが。

 

しょうゆは、ごく一般的な味。

味噌は、芳醇な香りとコク。

大学生の時、北海道で初めて現地の味噌ラーメンを食べて感激したことから、味噌も自分にとって馴染みが出たのでと思います。

塩は、白く洋風も思わせるコク。

別添のゴマをかけると更に風味が増します。

思い切ってバターを固まりで投入。

カロリーを気にせず更なるコクを楽しみます。

もちろんスープは全部飲み干さずに(オバサンは健康に気を付けます)。

 

何でもない、インスタントラーメンが、遥か彼方にあった記憶を呼び起こしてくれました。

ノスタルジーに浸るオバサン(院長)。

一袋98円のラーメンで、これだけ回想出来る幸せなオバサンです。

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2020.3.31 ハリネズミかイノシシか

食器の展示や売り場を見るのが好きな院長です。

子供たちが小さい頃は、童話や戦闘物のキャラクター柄もありましたが、子供の成長とリフォームを機に処分。

今は、大部分が白の洋食器、オープンストック(いつでも単品から買足しが出来るロングセラーシリーズ)で統一されています。

美的センスに乏しいので、白は何にでも合って、盛り付けに手間取りません。

食洗器にかけられることも、時短家事の最優先事項。

和食器・漆器の出番は、手洗いを考えると、心に余裕のある時に…となります。

 

先日、近くのお店の食器売り場を散策。

目に付いたのは、横向きのイノシシ柄の小皿と小鉢。

白地に紺の線で小さなイノシシが3種類、柄になって描かれています。

紺の線で描かれたイノシシ、紺で塗られて中に白抜きのあるイノシシ、輪郭の中全て紺の縦線で塗りつぶされているイノシシ。

院長は、好きな動物(飼いたいとは思わない)が数種類あり、そのうちの一つがイノシシです。

すぐ隣にブタがあったのですが、全く心惹かれず。

 

食器を買う時は、慎重になる院長ですが、値段がとても手頃だったのと、サイズが小さく(直径10センチほど)スペースを取らないと判断。

チョコやクッキーを入れるおやつ用にぴったりだわ、と購入。

 

さて、家に帰って、小皿と小鉢を洗おうとして、裏を見ると『ハリネズミ』と書いた小さなシールが。

『?』

財布からレシートを出してみると、『プレート(ハリネズミ)』『ボウル(ハリネズミ)』の印字が。

『これって、ハリネズミだったの!?』

 

家人に買ってきた小皿と小鉢を見せます。

『この動物、何だと思う?』

『イノシシでしょ?何で?』

かくかくしかじか…

『まあいいじゃん!イノシシに見えるんだし…』

 

後日、もう一度、そのお店に行って、店員さんに尋ねます。

『これって、何の動物でしょうか?』

『少々お待ちください。(皿をひっくり返して)ハリネズミですね』

『そうですか…』(それはずるい~)

 

家人のみならず、もう少し広げて確認します。

『何に見える?』

『イノシシ』

『違うの。ハリネズミなんだって』

『え~!?そうなんですか!?』

 

院長周囲は、イノシシ派が圧倒的(10人中8人)。

ハリネズミと答えた2人にびっくりです。

今回購入したハリネズミがイノシシに見えるのを院長独断検証。

イラストのハリネズミの針が楔形で針を連想しにくい(イノシシの毛並みに見える)。

白地に描かれたハリネズミは、針部分(胴体)と頭部分の境がなかった(よくよく見ると、紺地の方は境目があるようにも見えるが)。

前足・後ろ足の幅が広く描かれ、走っているように見えるので、ハリネズミのちょこちょこした感じより猪突猛進のイノシシをイメージしてしまう。

 

いずれにしろ、食器のイラストレーターはハリネズミを描き、購入者(院長)はイノシシと信じて購入。

気付かなければイノシシのまま。

それでも、使う度に、ハリネズミVSイノシシと柄を見てしまう院長です。

 

描いた人と見る人の捉え方の違い…

 

そういえば…当院のマスコットキャラクター『あんこうちゃん』も。

看板にも診察券にも、描かれているアレです。

当初『くじら』のマークとよく言われました。

『違うんです、あんこうです。ちょうちん(イラストでは☆)が付いていますよ』

『でも、海の上に浮かんでいますよね~』

『ハイハイ、確かに』

 

院長小学6年生時の自作のイラストです。

当時、芸能人のサインを真似て、自分のサインを描くのが流行り、その一環で、自分のマスコットキャラクターを作ったような…(その後、一度もサインする機会はありませんが)。

卒業文集の裏表紙のカットに採用されました。

『あんこうちゃん』はその頃から、進化成長せず今に至ります。

突っ込みどころ満載ですが、これも見方は自由です。

ハリネズミのこと、言えません。

 

自分にとっては、イノシシの小皿と小鉢。

おやつタイムに大いに活用したいと思います。

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2020.3.17 全盲デュオの演奏会

全盲二人組による小さなコンサートを聴いてきました。

主催は愛知県保険医協会女性医師・歯科医師の会。

 

バイオリンは29歳の稲葉さん。

バイオリンは5歳から。

 

ピアノは37歳の国枝さん。

ピアノは7歳から。

 

二人とも『未熟児網膜症』により失明したそうです。

 

『未熟児網膜症』とは…

網膜血管(目の奥の血管)は胎齢30週で完成するのですが、未熟児で生まれて、母体から外界へと環境が急変すると、まだ若い(弱い)血管が異常に増えて、悪さをします。

治療をしても、場合により網膜剥離を起こします。

周産期医療の進歩で、超低体重児も生存率が向上していますが、重症の網膜症も増えています。

現在、小児の失明原因の1位です。

 

そして、二人は『就労継続支援B型』施設からの派遣です。

 

『就労継続支援B型』は…

年齢、体力などの面で、雇用契約を結んで働くことが困難な人が、軽作業などの就労訓練を行うことが出来る福祉サービスです。

受給者証が発行されると、作業により生産された製品やサービスの出来高に応じて工賃が支払われます(事業所による)。

得意なことを就労に生かせないか…と考えていたところ、二人の得意分野の音楽に目を付け『DUO ABBEY』というデュオを結成したそう。

 

『メヌエット』『ユーモレスク』からアラジンの主題歌『ホールニューワールド』など、全12曲。

 

稲葉さんのこだわりのせいか、バイオリンの絃の調整で、開始が遅れたり、中断することもありましたが、それは想定内のようで、ピアノの前で、稲葉さんの声がかかるまでじっと待っていた国枝さん。

バイオリン側のステップ2回が曲の開始の合図です。

 

最前席の院長は、二人の表情、指の動きをじっと見ていました。

ピアノを弾く指は、何回も鍵盤から離れるのに、一度も間違えずに指は動き、曲が続きます。

弓を弾く位置、弦を押さえる位置も、ぶれたりしません。

 

点字用の楽譜はほとんどないそうです。

音楽を聴いて、それを自分で音階にして、楽器で再現。

曲は自分の耳だけで暗記して演奏します。

盲人は、他の感覚、特に聴覚は大変発達・鋭敏になると言われていますが、さらに、優れた音楽的才能があるからこそ、成せる技です。

また、一人で弾くだけでなく、相手と合わせるのは、より難しいことだと思います。

 

目を閉じて聞いていれば、目の見えない人達が奏でているとは想像もできない、心に響く素晴らしい演奏でした。

 

障害を持っていても、持っていなくても、人の価値は変わりません。

 

それぞれの出来ること・得意なことを発揮できる社会に。

 

『DUO ABBEY』の活躍を期待します。

 

良い音楽を聴き、心落ち着かせた院長でした。

ふだん『動』が多めの院長ですが『静』の時間も大切にしたいです。

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2020.3.10 スワンがネズミ

東京の勉強会が終了、会場を後にする時にふと浮かんだのは『シュークリーム』

その時、浮かんだA店のシュークリームは、はるか昔の憧憬から呼び起こされたもの。

 

スマホを検索して、場所を確認。

会場から東京駅のほぼ直線上にありました。

電話をすると…出ない。

もう一度電話しても出ない…。

不定休とあるから、休業日?

でも、日曜だし?(普通、ケーキ屋さんって日曜日営業だよね?)

3度目の正直でかけ直すと、長い呼び出し音の後に受信。

『あの~スワンのシュークリームありますか?』

『あと、一つだけあります』

『予約したいのですが。スワンのシュークリームひとつだけ。今○○(地名)なので、すぐ向かいます』

 

スワンのシュークリームは、名の通り、スワン(白鳥)の形をしたシュークリームです。

お菓子作りに夢中になった院長10代の頃に、雑誌で紹介されていたシュークリーム。

『東京』のA店の気品あふれる『スワンのシュークリーム』の写真は、その当時、田舎の小娘にとっては非常に憧れのお菓子として目に焼き付いたのでした。

自分で何回か作ったシュークリームは、素人ゆえの技量のせいか、野暮ったいものでした。

 

会場から地下鉄を乗り換え、探していたのでは、時間が読めません。

この際、タクシーに乗って、住所を伝えます。

お店の前で停車してもらい、はやる心でお店に入ります。

先客が一人、会計中。

『先ほど、お電話した、スワンのシュークリームの長谷川です』

あれ?ショーケースにスワンが一羽。

これは、他のお客さんの予約用?

店員さんは、もう閉じられた箱を持ってきて『会計お願いします』

電話で値段は聞かなかったけれど、ひとつ450円(税別)。

お高い!?が、これって東京価格?

 

さて、ウキウキで新幹線に乗り込みます。

列車が動き出してから、ホットコーヒーとともに、ティータイム。

忘れていたのに、急に思い出して何十年前に憧れたお菓子とご対面!

箱を開けると…

ネズミの形をしたシュークリームが!

『えっ?何?』

呆気にとられるって、こういうこと!?

 

頂点に達した期待が、奈落の底へ。

 

店員が、スワンとネズミを間違えて?箱に入れてしまい、間違いのまま客(院長)の手に渡ってしまいました。

一般的に、ケーキ屋さんでは、客に購入予定のケーキを見せて『○○ケーキ〇個、○○ケーキ〇個…以上でよろしいでしょうか?』と確認させるのに、このお店ではありませんでした。

もう新幹線の車中。

今更、返品交換にも行けないし。

スワン・スワン・スワン…と思って食べよう!

でも、ネズミがスワンになりません。

 

外見も中身も違います。

美味しいには違いないけれど…

 

東京出張最後のお楽しみだったのに…

しばらく根に持ちそうな、残念なティータイムでした。

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2020.2.18 ずっこけ体験

『吉本新喜劇』が大好きな院長。

テレビ放送は欠かさず。

俳優さんがクローズアップされて見られるところは、テレビの良い点ですが、年に何回は生の舞台を見たくなるもの。

『なんばグランド花月』(大阪)は、とても有名なので人もすごい。

そのため、以前スタッフとの旅行で、偶然にも最前列を取れた時を除き、良い席はなかなか入手困難です。

穴場が『祇園花月』(京都)。

『なんばグランド花月』に比べると、知名度は低いのですが、新喜劇も芸人さんも、同様に出演します。

いい席が取りたい!と思ったら、自分の都合の良い日、演目・出演芸人さんを考慮して作戦を立てます。

今回は、最前列ゲット!

 

いつものテーマ音楽が流れ、新喜劇が始まりました。

生の迫力と、アドリブの多発で笑える!笑える!

少なくとも、最前列組は、隣も、隣も大笑いです。

いつも決まったストーリーだからか、『安心して笑える笑い』。

 

舞台は盛況のうちに終わり、舞台あいさつの後は…

『恒例のずっこけ体験、挑戦者を発表します!』

『ずっこけ』とは、ある役者の決め台詞に、他の役者たちが『おっとっとっと!』と、コケる真似をすること。

祇園花月では、新喜劇の後、応募者の中から5人選ばれ、舞台で体験をすることが出来ます。

『〇県からお越しの〇の〇番席の○○さん!』という風に呼ばれ、該当者は、舞台に上がります。

名前は、実名でも、ニックネームでも可です。

 

オジサン・お兄さん・オジサンと続き…

『愛知県からお越しの〇の〇番席のあんこうさん!』(『あんこう』は当院のマスコットキャラクターです)

えー!?当たったの!?

今まで、『いいな~』と思いつつも、応募する勇気のなかった院長ですが、今回は思い切って応募用紙を投函していたのでした。

きっと当たらないだろうし…なんて。

最後の一人は、5歳くらいの男の子。

 

役者さんに囲まれて、5人で舞台に立ちます。

ずっこけるのも、もちろんコツがあって、上手くやらないと怪我をするそう。

まずは、お手本。

トコトコと『みどりさん』が登場して『おじゃま・ぱじゃま』

すると、『太一郎さん』と『直子ちゃん』がずっこけ。

男性は、前のめりで、おっととっとっと。

でも本当に転んではいけません。

女性は、横すわりになるようにお尻から床に滑り込みます。

スカートの中が見えないように。

お手本は見ているだけでよかったのに、舞い上がってしまった院長は一緒にやってしまい、『お姉さん、気ぃ早いで~』と言われてしまいました。

5人そろって本番。

『おじゃま・ぱじゃま』のセリフでずっこけ。

舞台の上で大きな拍手をもらい、気分は上々。

 

さらに、3名、リーダーの直筆サインをもらえる、半券の抽選会に当たりました。

リーダーのサインに加え『ありがとうございました。』『ドリルすな!』(誰か分かりますか?)

 

帰宅後、家族の前で『ずっこけ』お披露目。

何回かやっているうちに、だんだん上手くなった気に…

それを見て、息子。

『母さん、血管どっか切れとるんちゃう?』

『血管切れるのは、あんた(息子)の前だけや!』

 

※こちらもご覧ください

「みんなで大阪」

「あり得る・あり得ない」

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2020.2.4  本の断捨離

思い立ち、本の整理をすることにしました。

昨年のある一件を機に、書店に行けば本を買う習慣(意欲)が減退。

しかし、昔読んだ外国文学&文豪推理小説を旅のお伴としたところ…意外に頁は進み、『そうだったのね~なるほどね~』という新しい発見も出来たのでした。

数巻ある外国文学の続きは、なかなか進まないのですが、以前読んだ時よりは、難解ではなくなっているよう(2回目だから?)。

昔、息子が入院中のベッドサイドで集中して読み切った本、学会出張時の往復で読み切った本など、どれも集中力MAXだった頃の思い出の本達です。

 

『本は10冊同時に読め』の本をお手本に、併読もしてかなりの読書をした頃。

しかし、45歳を過ぎたあたりから、目の疲れ(老眼)や集中力の低下、身近なスマホに手が伸びてしまい、読書量が減っているのを実感します。

 

約10年前にリフォームしたときに、ずいぶん本は手放したのですが、それでも残した本と新たな本で増加の一途。

いつか読むかも!?はないのだと、思うこの頃。

今以上に、集中力が上がり、視力が良くなり…なんてことはないはず。

『絶対に再読する(つもり)』の決意があるかどうかで、断捨離開始。

 

30~40代前半に購入したジャンルで多いのは、自己啓発書。

理想に燃えつつも、現実に直面し、昔流行った『自分探し』をしていた時代。

取り入れる部分もたくさんあり、メモ書きしたり付箋を貼ったりしたけれど、今はもう必要なし。

『自分は自分』としての割り切りと、『自分の強み』に目を向ける自己肯定感で生活すればいいと思えるように(欠点には目をつむる勇気も)。

あの頃の自分には想像もつかなかった…

古典の名著だけ残して処分。

 

新書は気軽にどんどん買っていましたが、トレンドがある中で、残しておきたいものはほぼゼロに。

ノンフィクションもその時々の真実の追及に衝撃を受けましたが、それを思い出に、処分。

 

小説は、今も好きな作家作品、残しておきたい同じジャンル以外の作品は処分。

娯楽的な小説は、その時の話題性はあっても、さようなら~

 

古典・近代の本は、なかなか処分できません。

だからこそ、名著なのね。

 

私(院長)の一部を作った本達。

かなりかなりスリム化するには、時には苦渋の決断も。

 

処分することになった本の山々。

さて、どうしようか…

さすがに廃品回収に出すのは忍びない。

古本屋に持っていくのも…かなりの重労働。

 

 

そんな折、知ったのは…

古本買取業者から箱が送られてきて、古本を入れて送り返すと査定。

その査定額を、そのまま、ある団体に寄付できるシステム。

早速、送られてきた段ボールに本を詰め込み、返送しました。

 

すっきりとした書棚。

といっても、ゆうに800冊は残っているけれど…

また新しい本も買うだろうし…

もう一度読みたいジャンルも。

人生後半、本棚の本を完・再読できるよう、スロースピードですが、少々アクセル踏み込みます。

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